top of page

2024 早春のジャム屋日記


 裏山の水仙畑から早春の香りが届く季節になりました。海を渡ってくる風はまだまだ冷たいですが、陽が昇り、風がやむと、そこに小さな春が舞い降りてきます。瀬戸内の海の色に鮮やかなグリーン色が差し始め、水仙の緑と白のコントラストは見ていて飽きることはありません。

3月に入ると島は河津桜の季節にはいります。島の早春は空が澄み、凛とした空気が、またひときわ魅力的なおすすめの季節です。




 さて、上の写真にもあるように、早春はいちごの季節。自家農園のいちごハウスでは、授粉を手伝ってくれるミツバチたちが忙しそうに飛び回っています。そんなハウスの中はまさに春。空気が入れ替わらないと太陽の熱がこんなに届くのかとびっくりするくらいです。当園農業スタッフは半袖姿で熟した苺を一つ一つ摘み取っていきます。もともとは、完熟した苺のおいしさに惚れこみ、完熟した苺のみを使用したスイーツやジャムを造りたい、ということから始まった自家農園でのいちご栽培。7年の経験により、安定して上質ないちごを収穫できるようになりました。そのおかげで毎年1月から始まる完熟いちごのスイーツフェアは当店で屈指の人気フェアに成長。これは8年前に新卒採用した農業部スタッフ渡邉君の成長のおかげでもあります。 そして、今シーズン、またまた若い20歳の若者を採用。まずは社会人としてのマナーと農業の基礎を学ぶところからで、先は長いですが、人の成長があっての、当園のジャム・チェッロ造り。これからも持続可能で人と地域のより良い関係を構築していきます。

下の写真は左から忙しそうに飛び回るミツバチ、いちごジャムの煮込といちご系ジャムシリーズ、そして2月から始まった完熟いちごスイーツフェアの「完熟いちごの春色クレープ」。





 冬は柑橘の旬でもあります。江戸時代から続く柑橘産地の周防大島では多くの種類の柑橘類が栽培されています。10月頃から始まるみかん、11月頃から始まるレモンやライム、12月頃からは柚子やすだいだい等々。そして年が明けたころから旬を迎えるのがスイート系柑橘。今月は伊予柑とネーブルが工房に届きました。さらに3月頃にはしらぬい(でこぽん)やブラッドオレンジと続いていきます。それぞれの品種ごとの個性がマーマレードにするとさらに際立ちますし、同じ品種の柑橘でもその年々、その生産者で味か異なるので、仕上げを紅茶煮込みやショコラ系にするなど、ジャム職人の腕の見せ所がたくさんあり、ジャム屋魂に炎が燃え盛る季節でもあります。そしてコロナ禍の時代から始まったレモンチェッロ造り。あなたの知らないマーマレードとチェッロの世界がこの島には広がっていますよ。

下の写真は左から「いよかん倉庫」「ネーブルの煮込み」「とれたてレモン」「生レモンチェッロ」。







さて、「レモンチェッロプロジェクト」で進めてきました「古民家の宿」造り。


ついに今年4月18日からの営業開始、決定です!!


江戸時代、周防大島に柑橘栽培を伝えた藤井彦右衛門(ひこえもん)の屋敷を解体した時にでた材木で建てた築100年の古民家。その使用している木材はさらに古いため、200年や300年以上前の木材ではないかと推察されます。100年前の移築時に生まれたほぞ穴や、梁の配置指示の墨書きなどが当時の営みを今に伝えています。

この古民家を引き継いだ時には、基礎も傷み、ぼろぼろの状態だったため、業者さんからは家屋の解体を強く勧められたのですが、島の柑橘類でジャムやチェッロを造ることを生業としている私たちにとって、藤井彦右衛門の息吹の感じられる建屋を遺していくことが、この島の未来への責務だと感じ、基礎から補強再生し、多くの方がご利用できる場に改築しました。

宿の名前は「おん宿 古今せとうち」(COCON-Setouchi)。島の「古き時代」と「今」が融合したお宿に仕上げています。一棟貸しの貸別荘のような宿泊形態になります。最大6名まで宿泊可能。島にお越しの際には是非、ご活用ください。ホームページも近日公開予定です!!

下の写真は左から、「さざんかの咲くエントランス(冬期)」「玄関ホール(自転車も入れます)」「キッチンスペース(自炊ができます)」「露天風呂(内風呂もあります)」



以下、左から「寝室の畳ベッド」、「庄屋の庭の百日紅(夏季)」。


3月はせとか等の高級柑橘類が旬に、そしてブラッドオレンジのチェッロも仕込みが始まります。

3月の新作発表は3月9日10時から!どうぞ楽しみにしていてください。


園主 松嶋


bottom of page