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2023 春爛漫のジャム屋日記



 島に春がやってきました。樹々の花が、野草の花が、そして農園の柑橘の花々が咲き乱れるこの季節。

普段は何気なく通り過ぎる小さな農道も、この時季は楽しい散策路になります。

特に5月2週目ごろからは柑橘の島の柑橘の花々がいっせいに咲き乱れ、シトラスフラワーの香りが島中を包みます。


 下の写真たちはジャムズカフェからの春の瀬戸内海の眺望。

早春の時季から徐々に海の色が鮮やかな青色にかわり、島の季節は初夏へと続いていきます。


 そんな、花々の彩に目を奪われがちですが。果樹たちの変身っぷりがまたすごいのがこの季節。

一番左の写真はレモンの丘のレモンの幼木。冬の寒波で葉がちじれ、大部分が落葉してしまいました。

その隣は3月末ごろの柑橘の樹の様子。

落葉したところから、新しい芽が無数にうまれ、再生していきます。

そしてその隣はGWごろのレモンの丘。レモンの樹に白い花が咲き乱れ、爽やかなシトラスフラワーの香りが辺り一面を包みます。

そして、その隣の写真は4月末ごろのブルーベリーの花々。なんと5月中旬にはその隣の写真のように、すでにブルーベリーの果実をぎっしりとつけています。

「果樹とともにある営み」の楽しさが凝縮しているのがこの季節です。

 さて、5月になると柑橘シーズンも終盤になり、新しい素材の季節がやってきます。

一つ目は真っ赤な「完熟とまと」。

周防大島と本州を結ぶ大島大橋を島から本州側に渡ってすぐの所に由宇(ゆう)と言うトマト産地があります。

その地域のトマト農家さんから今年も真っ赤に熟したトマト達が届き始めました。

完熟した由宇トマトは味が濃く程よい酸味と甘み。今年のトマトジャムも期待できそうです。トマトは水分量が多いので、煮込みにとても時間がかかるのですが、出来上がりは「本当にトマト!?」と聞いてしまうほど味が変化します。




二つ目は高原の真っ赤な「ルバーブ」。

広島の山地で栽培されているルバーブが工房に届くのもこの季節。

春のルバーブは瑞々しくフレッシュな風味。繊維質がたっぷり多いので、少し柔らかめに煮詰めていきます。



そして赤色果実つながりでいうと、苺。実は収穫時期でずいぶん味が変化するのが苺なのです。

5月になると果実の成長スピードが早まるため、完熟しても酸味の残った果実になるのですが、これはこれでジャムには酸味が適度にあった方がおいしいので、レモン果汁で酸味を整える必要が無くなり、ジャムとしてはいちご本来の味を堪能できる季節になります。

この個性をジャムにどのように活かすか、ジャム職人の腕の見せどころ。

今年はカルダモンを煮出し、柑橘のような爽やかさがありつつも苺本来の甘い香りが楽しめる一品に仕上げました。




 さて、話は変わりますが、コロナ禍の始まりとともにレモンのリキュール酒(レモンチェッロ)の酒造事業をお客様参加型で立ち上げるプロジェクトを始動させてきました。

そしてさらにBeyondレモンチェッロプロジェクトとして、いま私たちは新たなチャレンジを始めようとしています。

それは島の柑橘栽培の祖、藤井彦右衛門(ひこえもん)の息吹が感じられる古民家を宿に生まれ変わらせる取り組みです。

コロナ禍期間に造り込んできた宿がいよいよ整いつつあります。

宿の名前は「おん宿 古今せとうち」(ここんせとうち)。

宿の周りの庄屋の屋敷跡にはレモンチェッロプロジェクトの想いを込め、レモンや柚子などの柑橘畑にするべく、この春に苗木を植え付けていってます。

柑橘の成長を共に楽しむお宿として、この夏休みシーズンにOPENします。

詳しくは6月中旬ごろに立ち上げるホームページを是非ご覧ください!どうぞお楽しみに!!!






いよいよプラムシーズンがはじまります!

5月末ごろから青梅・あんず、完熟梅、すもも、そして7月頃からは白桃に続きます。

6月の新作発表は6月18日20時から!

プラムシーズンもどうぞ楽しみにしていてください。 園主 松嶋


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