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2020年新春のジャム屋日記

あけまして、おめでとうございます!

今年の冬は暖かいですね、島はすでに春が訪れたような陽気です。

人間にとっては過ごしやすいのですが、植物たちにとって休眠状態になるべき季節がなくなるのは、果実の成長にも影響が出てくる可能性があり、心配な一面もあります。

下の写真は新年を迎えたジャム工房とカフェ、そして自家農園のレモン畑といちごハウスの様子です。

この時季のレモン畑の楽しみ方、それはレモンの樹から漂うシトラスの香りに包まれながらの日向ぼっこ。

いつまでも遠くの島なみを眺めていられます(笑) ここだけの贅沢な島時間が流れています。

一方、せわしなくミツバチたちが飛び回っているのが自家農園のいちごハウス。

ミツバチたちは、いちごの花の開花とともに授粉の仕事をお願いしているパートナーでもあります。

寒い時季のいちごは実が成長・完熟するまでに時間がかかるため、暖かい季節の実に比べてとても芳醇な味わいになります。

それはまさに別格な味わい。この贅沢な苺で本物のいちごジャムを造りたい!

そんな想いから自社農園にいちごハウスを導入していちご栽培を始めたのが2014年。ジャム屋の農業部のいちご栽培技術も向上したため、近年は文句のない最高果実を安定的に栽培できるようになりました。



自家農園だからできる選りすぐりの完熟苺たちはジャム造りとカフェスイーツで使用しています。一般に流通している苺は流通過程で過熟にならないよう、7分熟れの状態で収穫する物が多い中、ジャム屋は完熟いちごにこだわるため、果実栽培の現場から取り組んでいます。

その中でも特に赤色がきれいな果実を使用して真っ赤なルージュのようなジャムに仕上げたのが新春の完熟いちごルージュジャム。

後味の切れをよくするため島レモンをその場で搾っています。

そして、その完熟いちごを贅沢に生で味わっていただこうということで、この季節からジャムズcaféで始まるのが「自家農園の完熟いちごスイーツフェア」。

3~4週間ごとにいちごスイーツが入れ替わり、5月ごろまで楽しめます。

是非せとうち時間を楽しみにジャムズcaféにもお越しくださいませ。下の写真は1月10日から始まったスイーツたち。


 

例年、島の農家さんに、この年末年始に収穫をお願いしているのが樹上完熟させた金色かぼす!

一般流通しているかぼすは9月10月ごろの緑色のかぼす。しかしその時季のかぼすは酸味が尖りすぎていてマーマレードには不向き。

そこで私たちは酸味をマイルドに仕上げるため、一般的なかぼす栽培では行わない、樹上追熟を、かぼすが黄金色になる冬まで行いました。

果実栽培からこだわる究極の一品。さらに昨年から始めた海面下80メートル下の島の天然水を汲みあげ使用した限定品として煮込みました。

この完熟かぼすマーマレードは、スパークリングワインやハード系チーズなどにとてもよくあいます。





「天然水仕込み樹上完熟かぼすマーマレード」はこちらから購入いただけます。


 

もう一つ、この季節のドリンク系にあうジャム、それは「がっつり生姜ジャム」。

わたくし店主のショウガ好きが高じて栽培にまでこだわり造ってしまった「生姜好きのための生姜ジャム」です。

ここまで贅沢に生姜を使っているジャムはなかなかないのではないでしょうか。

ドリンクやヨーグルトなど幅広く使用できますよ~。我が家でも寒い季節は大活躍です。



「がっつり生姜ジャム(柚子の香り)」はこちらから購入いただけます。


 

「冬になると旬の果物が減る」と思う方が多いですが、1月ごろまでは多様な果実がまさに旬を迎え、工房はいろいろな果実類で埋め尽くされます。

例えばキウイ、スーパーには通年あるので季節感がないですが、国産キウイの旬は12月ごろから始まる冬。

最近では、ほかの果実にはない癖のある独特の香りと食感、そしてその豊富な栄養素と酵素の働きで、美容健康面でも注目のスーパーフルーツです。

しかし、ジャムにするのには難しく、とろみが出ないため、当店ではかなり水分を抜いて果肉をそのまま食べているような仕上げにしています。

もう一つ緑色果実つながりで今が旬の果実をご紹介。例年信州安曇野のせせらぎ農園さんからリンゴを分けていただいているのですが、シーズン最後の便りとなる品種が青りんごの「グラニースミス」。

酸味と個性的な香りが特徴で、どちらかというと酸味が強いので紅玉のように加工にむいているリンゴです。日本国内ではまだまだ希少な品種のリンゴとなっています。



「島の完熟キウイジャム」「青りんごジャム」はこちらから購入いただけます。


 

さて、この年末年始にかけて、2つの農業生産者とコラボ商品を造りましたので、そのご報告です。

一つ目は中国山地にある平田観光農園さま(広島県三次)。

ここでは中国山地の涼しい気候を活かして国内でも希少な洋なしル・レクチェを生産されています。

瀬戸内では手に入らない魅惑の果実。ジャム屋魂がビビビッときて、是非ジャムズガーデンでジャムにさせてください!と言ったのは既に2年前のこと。

昨年は橋の事故の影響で、ル・レクチェの旬を逃してしまい、、、いま2年越しの商品化の夢がやっと叶いました!!

滑らかな果肉と芳醇な香り。この個性を存分に楽しめるよう、短冊切りの大きな果肉の形を残すように優しく丁寧に煮込み、爽やかな瀬戸内レモンのコンフィチュールとマリアージュ!一口含むと贅沢な時間が流れますよ(笑)。

そしてもう一つのコラボ先は中国山地の北側、鳥取県八頭にて100年続く柿農家岡崎ファームさま。

ここの完熟した花御所柿の生果実は最高の贅沢品で有名デパートで扱われている一品。

柿とあう食材として試行錯誤して選んだのが、大きめにカットした柚子ピール(外皮)。

柔らかく煮込んだ柚子ピール(外皮)の贅沢な香りと完熟花御所柿のふくよかな食感。

どちらも今シーズンのみのコラボ限定品、見つけた時が買い時です(笑)。




「幻の洋梨ル・レクチェと瀬戸内レモン」「完熟花御所柿と香り柚子ピール」はこちらから購入いただけます。


 

さて、最後に2点ご報告。

一つ目は、雑誌オレンジページが運営している料理教室コトラボ阿佐ヶ谷にて、この度ご縁をいただき「香酸柑橘マーマレードの作り方」講座を行ってきました!

首都圏でジャムづくり教室を行う初の取り組みでしたが、参加していただいた方々の満足度も高かったようで、私たちもジャムズファンの方々と楽しく交流ができ、とても有意義な時間とすることができました。ご縁をいただいた方々にただただ感謝です!!

そして、最後のご報告は、新刊「ニッポンお宝食材」(小学館)にて当店が紹介されました。

この本はフードジャーナリスト向笠千恵子さんが5年の歳月をかけて取材した全国のお宝食材が一冊の本にまとめられたもの。

「未来に残していきたい食材58」の中の一つとして光栄な事に当店のジャムたちも載りました!

素敵なご縁をいただきありがとうございます。

アマゾンでも購入可能です、ぜひご一読くださいませ。



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