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初秋のジャム屋日記(8月25日更新)

みなさん、夏休み楽しまれましたか?島では今年も昨年同様、暑い日が続いておりましたが、台風10号が過ぎた後は、暑さもひと段落。夜には虫の音が響き、既に秋の気配が漂い始めました。ちなみに台風10号、記録上は周防大島の真上を通過したことになっておりますが、最接近直前から風は止み、その後もたいした風は吹きませんでした。狐につままれたような台風でしたが、被害がないことは良い事。ジャム屋も無事営業再開しております!


さて、お盆時期の周防大島は帰省ラッシュ。もともと6万人いた島(現在は約1.6万人)なので、島のお盆は「人で島が沈む」と言われるほど帰省者が多いのです。ということでジャム屋もこのお盆期間は休みなし。特に人気なのがジャムズカフェで提供している「ジャムかき氷」。かき氷専用ジャム3種と秘薬のモヒートシロップを仕上げにかけてお召し上がりいただく、ジャム屋のオリジナルかき氷。先日はテレビでも取り上げていただき人気に火が付き、今夏は多くのお客様がこのかき氷を目指してお越しくださいました。ちなみにこのかき氷に使っている氷は先の断水時に活用し始めた深井戸天然水。何とも不思議なご縁がここでも繋がっていました。



工房の中は毎日がブルーベリー祭り。創業当時は島内にブルーベリー栽培者がいなかったため、自家農園で栽培を始めるとともにブルーベリー研究会という栽培仲間のグループを立ち上げ、果実生産に取り組んできました。その甲斐もあり、今では毎日てんこ盛りのブルーベリーが農家さん達から届くようになりました。沢山ブルーベリーが届くのは嬉しいのですが、、、一方、やはり真夏ということでジャム煮込みは灼熱地獄。スポットクーラーが工房内を冷やしますが、ぐつぐつ煮えたぎる鍋が6個もあればそうそう冷えるはずもありません。。。しかしこんなおいしそうな真夏の果実を目の前にジャムにしないなんて選択肢はない!ということで、スタッフともども日々ジャム煮込みを進めています。


夏が旬のもう一つの人気果実、それは白桃。そしてまさに夏休みシーズンに旬を迎えるのが高級白桃の清水白桃です。これも創業当時からお付き合いしていただいている岡山県の桃農家さんたちから、完熟した桃たちを日々送ってもらっています。今年の出来はどうかな、とついつい味見をしてしまいます(笑)。桃はとても淡白な味わいで、香りも食感も繊細。ということで、煮込みもとても丁寧に、果肉感を残しながらゆっくりゆっくり煮詰めていきます。「夏に食べたい桃ジャム」とするため、すこしゆるいぐらいに仕上げています。白桃の繊細さを是非楽しんでください。


さて、そんな真夏の大島を抜け出し、中国山脈の高地で果実栽培をしている農家さんの元を訪ねてきました。この農家さんは高地の涼しい気候を利用し、夏でも栽培できる「すずあかね」という品種のいちごを栽培しています。この苺、果実が小さくてコロコロ可愛いのですが、ヘタを取る作業が大変なので、少々敬遠していたところがあります(笑)。しかしその甘酸っぱさと特徴的な香りに惹かれてついついやってきてしまいました。数年ぶりに訪ねるとなんとフランボワーズ(キイチゴ)の栽培にも取り組み始めていました!


この組み合わせ、絶対おいしい!ということでその果実をいただき、思いついたのが、この8月末ごろからシーズンの始まる自家農園のライム。まだまだ小ぶりのライムですが、果汁ものり、香りも一番華やかな最高のタイミング。早速、工房でジャム実験の開始です!


高原の「夏いちご」を形を残すように丁寧に煮込みつつ、甘酸っぱいフランボワーズは別鍋で一番良い食感になるよう調整しながら果肉を砕き、煮詰めていきます。この2種類を少量ずつ別鍋であわせていき、その最適な比率を見つけます。一方、初摘みライムはマーマレードを煮込む要領で、外皮ごと煮込み外皮に多く含まれる爽やかな香りを煮出していきます。ライムの外皮は固くて口の中に残るので、ある程度煮込みあがると外皮は取り除き、トロッとしたジャムの部分のみを先の作品にマリアージュしていきます。ライムの爽やかさが真っ赤な夏色果実たちに、より一層深みを与えてくれます。目指したのは果実をそのまま口にほおばっているような、贅沢な作品。最高峰「ローズクライン」にまた一品、仲間入りです! 夏の果実たちを是非ご堪能ください。


そしてもう一つ、いままさに季節が始まった果実があります。いちじく!!!立秋を過ぎ、8月も下旬になると始まる「いちじく」の季節。当店では秋の始まりを告げる果実として、季節の変わり目を楽しむ重要な果実でもあります。今シーズンの一番果の繊細な果肉感とコクのある味わいを楽しむため、とてもシンプルにあっさりとジャム職人が煮上げました。始まったばかりのいちじく、この季節が来るのを待っていました!


さて、夏休みと言えばインターンシップ!里山資本主義的なジャム屋の取り組みを経験してもらい、人生の糧にしてもらおうと、ジャムズ恩送りプロジェクトとして主に大学生たちの受け入れを毎年しています。今夏も2名の受け入れを行っています。また冬休みシーズン、春休みシーズンにも受け入れを行っておりますので、ご希望のある方はどうぞ気兼ねなくご連絡ください。



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