2020年4月 春のジャム屋日記
- 店主 松嶋
- 2020年4月11日
- 読了時間: 4分
島に春がやってきました。
今年はこの島を訪れるお客さまも激減し、私たちもあたふたとしておりますが、人間以外はいつも通りの春。
島ではさくらが咲き、海も冬色から春の鮮やかなブルーに、鶯が鳴き、草木が芽生え、ジャム屋の畑ではブルーベリーの花も開花しようとしています。

そして、日本の春といえば人の異動。
今年、ジャムズガーデンでも新卒者を1名採用しました。
この日は天気も良かったのでガーデン入社式に急遽変更。
平穏な日々がどれだけありがたいかを感じるこの時世。
当たり前だと思っていた事が当たり前ではないと気づかせてもらえる。
普段通りの事ができる事に感謝感謝。
私たちも悩んでいます。
しかし、このような時だからこそ、いつもと変わらず、工房に届く果物を丁寧に手作業でジャムに煮込んでいくことを続ける。
そして、一人でも多くの方にこの周防大島の春の香りをお届けしていくべきではないかと考えております。
「100年続く島の産業を造ろう」という想いは変わらず持ち続けていますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
さて、柑橘の島「周防大島」のジャム屋にとって、4月とは工房内がオレンジ色に染まる月。
オレンジ色のスイート系柑橘が旬を迎える季節です。
人気の「きよみオレンジ」、島で生まれたブランド柑橘「せとみ」、近年人気の「せとか」などなど、この季節にならないとおいしさが引き出せない柑橘類が目白押しです。
工房の中はシトラスの甘酸っぱい香りで満たされます。
そんな中、一番思い入れのある「ミスキョウコ」もいよいよ旬を迎えました!
創業当時、島の農家さんとの出会いから偶然見つけた原木。
たった1本しか残っていなかった「ミス キョウコ」は外皮は固いし、種はあるし、生食にはむかない個性のため、忘れ去られたように畑の片隅に植わっていました。
しかしなんと味と香りは絶品。
初めて見つけた時は、こんな品種があるのだと感動したのを今でも覚えています。
生食用として世間に広まらなかった品種ですが、「これはマーマレード加工には使えるのではないか」ということで、農家さんから果実をもらい受けて実験!
すると、、、外皮が固いことがマーマレードにすると反対に独特の歯ごたえを生み、これまでにない風味ともマッチしていました。
「これはおいしい!」。
農家さんに是非「ミスキョウコ」を「マーマレード専用品種」として栽培をしてほしいとお願いし、今に至ります。
今年も、そんな「ミスキョウコ」の季節がやってきました。ちなみにローズクラウンシリーズ専用箱も 新調!おしゃれでしょ(笑)。
この島は面白い柑橘の宝庫。
そして最近出会った農家さんはなんと、ベルガモットを栽培していました!!
日本では殆ど栽培されていないベルガモット。
昨年畑を見せていただき、今年、いよいよ初マーマレードにトライ!
ご存知の方も多いと思いますが、オーデコロンなどの香水や紅茶アールグレイのあの香りの柑橘。
香りは最上級ですが、美しいものにはとげがある。
この柑橘の最大の難点は「苦味」。苦みと香りをどう活かしていくか、ジャム屋として島の素敵な素材との巡り合いにワクワク感がとまりません。
最後に3つご報告。一つは、母の日のための「バラの花と春柑橘のマーマレード」煮込み始めました!
是非母の日のプレゼントにどうぞ!ちなみに他の商品でも「母の日メッセージカード」をお付けできます!
二つ目は、お客さまが少ない今年、ガーデンを大改装しています。
そして完成したのがDIYガーデンカウンター!休校中だった息子と娘もお手伝い。
ご褒美はもちろんいちごのスイーツです(笑)。

そして三つ目のご報告。
2013年に出版され大ブームを巻き起こし、新書大賞も受賞した「里山資本主義」の続編、「進化する里山資本主義」がなんとこの4月30日に出版されます!
第2章では周防大島を題材に、自分たちの住んでいる地域の「里山資本主義の進捗度合い」が量れるようになっています。もちろん、当店もしっかりと載っておりますので、是非ご覧になってください!
アマゾンでご予約いただけます。
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