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師走のジャム屋日記

さて、今年もあと10日ほどで終わりますね。年越しの準備で忙しいこの時季、皆様はいかがお過ごしですか。ジャム屋のこの時季はただただ慌ただしく毎日があっという間に消え去っていくようです。移りゆく季節の中で島の本格的な冬が始まる直前のこの時期はちょうどかんきつ類の収穫最盛期にも当たります。(下の写真はこの時期の真っ赤に紅葉したブルーベリーの樹々)

下の写真は収穫・仕訳・発送作業に追われる島のミカン農家さんの作業小屋の風景。右の箱が収穫したての柑橘をより分ける作業台で左のコンテナに仕分けしていきます。

農家さんから届いたミカンの下処理を始めたのが下の写真。ご存知の方もおられるかと思いますが、現在みかんの品種は何十種類とあります。しかし、当店のジャム煮込みに適した蜜柑の品種は限られるのです。柑橘産地だからその品種ごとの違いを見分けてさらに農家さんにはジャム加工向けに最適な栽培をしていただいています。ここまでこだわったミカンジャムはそうそうないはず!

一つ一つ皮を手で剥いてばらばらにしていきます。大規模な工場で行われるような外皮ごと搾ったり薬品で皮を溶かすといったことは一切なく、ただただ手作業で皮をむいていきます。このひと(人)手間が更に深い味わいを私たちのジャムに与えてくれるのです。

さて、この時期に旬を迎える柑橘といえばみかん・柚子・完熟カボス、そして今年初めて自家農園で収穫ができたライム!工房は毎日、薫り高い柑橘たちで満たされます。


下の写真は柚子の収穫風景。今年の春に島に移住してきた若者がジャム屋で農業部門のリーダーとして活躍してくれています。ちなみに彼は知る人ぞ知る銀杏ボーイズというバンドのギタリストをしていた経歴の持ち主。ジャム屋にいろいろな経歴の人たちが集い、また新しいジャム屋へ発展していく。その変化こそが人生の楽しみなのかもしれません。

収穫したての柚子が下の写真。外見は傷があったり黒点があったりしますが、これこそ減農薬で栽培している印。本来真っ黄色で綺麗すぎる柑橘はそれなりの農薬を使用しているのです。

ちなみに柚子の樹には千枚通しのような鋭利で強靭なトゲが大量に生えています。下の写真のようなトゲなんてざらです。収穫作業でひっかき傷ができるのは当たり前なので女性に作業させることもできず、数少ない男性スタッフで頑張って収穫しています!

苦労して収穫した柚子はやはり最高の香り。ジャムにするとこの上ない香りが楽しめます。大なべで大量に煮込むと煮込み時間が長くなり、せっかくの香りや風味、色合いが失われてしまいます。なので当店では少量ずつ丁寧に、しかし短時間に一気に煮込みあげています。少しでも果実本来の香りと味わいをそのままお伝えしたいためなのです。

最後はこれも手作業でラベル貼り。

そしてこの季節に当店オリジナルで最大の自信作、完熟かぼす蜂蜜マーマレードの煮込みが始まります。


普通カボスは緑色の果実を9月ごろに収穫します。しかしそのころのカボスはマーマレードにすると酸味が強すぎて角のたった味わいとなります。そこで農家さんの提案でカボスの収穫時期を3か月ほど遅らせて樹上完熟させた他にはないマーマレードに仕上げたのがこの一品です。下の写真がそのカボスの収穫風景。カボスの実がまっ黄色でしょ!!ここまで完熟すると酸味もまろやかになりとてもおいしいカボスマーマレードになります。特にスパークリングワイン等によく合うのでワインに一さじ注いでいただいたり、カマンベールチーズに垂らして味わってみてください!!

今年も沢山の方々に支えられ、このジャム屋は存在できたと思います。いただいたご縁に感謝しつつ、来年以降もさらにおいしいジャムづくりを目指して頑張っていきます!今年一年、お付き合いいただきありがとうございました。そして2014年も瀬戸内のジャム屋をどうぞよろしくお願いします。


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